2月のメッセージ(要約) 「大波の中を漕ぎ抜けていこう」

 ガリラヤ湖をイエスと共に進む弟子たち。

激しい突風が起こり大波に襲われています。船は浸水し転覆しそうです。

弟子たちは混乱し、死の恐怖が頭をもたげてきて、神は自分たちを恵んで

くださる、導いてくださる、守り用いてくださるという信仰が揺すぶられています。

                  マルコによる福音書4章35節~41節

 

 この弟子たちとここしばらくの私は重なるのです。

私たちは人間のいのちは大切なものであり、それは全くの無条件で、だれの

どんないのちも大切と信じています。このことを伝えようとしています、

いのちが大切にされる文化を作ろうと取り組み、実現しようと働く人々を

支援してきました。このことはイエスが教えてくださった神のこころであり、

私たちへの招き、期待と信じてきました。

 

 ところがここしばらくの間に起こった事件で、私は揺すぶられる思いでした。

IS(イスラム国)は自分たちの要求を実現するために拘束していた二人の

日本人を殺害しました。日本政府は命を救うために2億ドルを支払うことよりも

違う対応を取りました。ヨルダン政府は報復の空爆を実行しました。

 

 人間の命が軽んじられる現実に私たちは取り囲まれています。

人間の命が何よりも優先される、という私たちの信じていることは、

おかしいことでしょうか、限定的に通用する場合があることで、

けっして普遍的ではないということでしょうか。

 私の信が揺すぶられる思いです。

 そして人間の命を軽んじる人間による行為は昔から現在まで途絶えること

なく、いったいどれほどの人間が人間によって命を奪われていったことか。

私たちの信はかつてから脅かされていたのです。

 

 私の信が揺すぶられるのは、世界中の人々のこころが

「隣人は愛する、しかし敵は憎む、敵は壊滅せねばならない」ということに

捕えられていくのではないかという不安があるからです。

人類があまたの戦争の惨劇、破壊と悲惨を経てたどりついた真実は、争いは

暴力、武力で解決はできない、話し合いと和解の道を探ることだということだった

のではないでしょうか。暴力は暴力を産み出し、報復は報復の連鎖を産み出して

きたのではないでしょうか。人間の命を何よりも大切にすることで、愚かしい正義の

戦争を回避することができるのです。

現在この人類がやっと得た真実が脅かされている。

 

 ガリラヤ湖の弟子たちへ与えられたイエスのことば。

「なぜあなたたちは臆病なのだ。まだ信がないのか」

 

 私たちは現在(いま)あらためて立つべきところに立ちたいと思います。

人間がたどりついた真実は、「人間の命が一番」ということです。

そしてこれは神のこころであります。放蕩に身を持ち崩した弟の生きて在ることが

何よりも貴重なことなのです、1時間しか労働しない者にも生きていくことに必要な

ものは全て備えようとされる、それが人間に対する神のこころです。

「あなたたちの敵を愛せよ、そしてあなたたちを迫害する者らのために祈れ。」

敵も迫害者も私たちと同じように親がおり家族がおり、生まれ育った環境があり、

それだから暴力行為の理由を持ち、そして将来への可能性が、私たちと同じ

ようにあるのです。

 

 「父よ、彼らを赦してください。彼らは自分が何をしているか、わかって

いないからです。」

                  ルカによる福音書 23章34節

 十字架上からのイエスのことばです。

人間は争い、憎しみをどうしたら、友好と和解に変えることができるのでしょうか。

怒りと暴力による抵抗に結びつく火をどうしたら消すことができるのでしょうか。

私は、富の分配、教育と医療の普及、世界から飢えの克服、清潔な水の供給、

権力の独占をしない、お互いの尊厳と自由意思を尊ぶ、にちからを注ぐ文化作り

だと思います。

我が国の政治、私たちははこのことで世界に貢献したい。

 

 「自分は何をするといいのか」が分かっている私たちになりましょう。

大波に襲われていくことでしょうが、私たちはイエスとともに、

イエスによって示されている、それは人間がたどりついた真実でもある

人間の命とそのいのちを支えている自然の生けるものを大切にして、

人間に命を軽んじる大波の中を漕ぎ抜けていこうではありませんか。

 

                  2015年2月9日 石谷牧師記

 

 

 

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