第18信「広島土砂災害現場での防災ダム築造」

 2014年8月20日未明の集中豪雨により発生した「広島土砂災害」から二年4ヶ月が過ぎました。災害直後からみなさまに被災された方々のために祈っていただき、また義援金と支援物資をお送りいただきありがとうございました。現在の様子を緑井地区の県営緑が丘住宅付近の写真を添えて報告します。

 まず昨年の8月と現在(2016年12月12日)の様子を見比べてください。

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緑井地区 2015年8月29日(土)

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緑井地区 2016年12月12日(月)

 現在高さ15メートルほどの大きな砂防ダムがほぼ完成しています。このあたりには同じ規模のダムがあとふたつほど確認できました。近くまで行ってみるとこのようです。これならば相当の土石流をくいとめることができそうです。しかし災害が起きてから対策が取られていくことが常です、このようなダムが早く築造されていたらと思います。私たちはふだんから大雨と土砂災害を結び付けて、「いのちてんでんこ」空振りでもいいから、大雨、地震、津波、落雷、竜巻など自然の営みに対して備える心を持ち、命の安全確保に努めたいと思います。

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 多くの犠牲者を出した県営緑が丘住宅付近では、修復工事を終えた棟、なお引き続き修復工事が行われている棟、戸建て住宅地では、この一年の間に更地になった区画、住宅の再建された区画とありました。また住む人のいなくなった家屋、いぜんとして更地のままの区画もありました。ここにおられた方々のそれぞれの選択、再建の困難なことを想像することです。

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 震災一年後の報告でこのように書いた場所がありました。「大きな岩をふたつ立てた門、見事な庭木、庭を散策するための踏み石、そして井戸、このお宅には広々とした敷地に豪壮な日本家屋が建っていたのでしょうか。住まわれていた方の無念さ、残念さを思います。」この場所が気になって訪ねてみると、まさに大きな二階屋の日本住宅が建てられつつあるところでした。やがて家に灯がともり人たちの暮らしがまた始まることでしょう。


 いつ遭遇するか分からぬ天災と人災、こうして今日生きているというがどんなに貴重で感謝なことか。だから私たちの方からはけっして自分の「いのち」と「くらし」を軽んじて失うことをしたくはありません。自分を守ることを人任せにしないで、自分たち自らが普段から意識して守っていきたいと思います。

(2016.12.12記)

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