深紅面目その4 「すさまじき天文学的ちぶ」

 放置してして良いこととは、あなたも思われないことでしょう。

国際非政府組織(NGO)オックスファムの2017年1月16日発表によると、

世界で最も裕福な8人が持っている資産が日本円に換算して約48兆7千億円、これは世界の

人口の約半分36億7500万人の資産額に相当するとのこと。(毎日新聞1月17日付)

これを平均すると、8人はひとりで4億5937万人分の資産を持っていることになります。

これを2010年にさかのぼると上位388人の資産が世界の人口の約半分の持つ資産と同じだった

とのこと。(2017年1月25日毎日新聞11ページオピニオン水野和夫氏による記事)

わずか6年の間に超富裕層の収入は相当に増えたが、世界の貧困層、中流層の収入は増えていない

ということではないでしょうか。オックスファムによると、1988年から2011年までの23年間に、

世界の資産下位10%の人々の収入は年平均3ドル増えたが(23年で70ドルくらいでしょうか)、

一方資産上位超富裕層1%の人々の増加幅は23年間で182倍であった、

貧富格差の一因は「縁故資本主義」、私は初めて聞く言葉ですが、意味は大企業などが

政府の規制や国際政策に影響を及ぼして自らの利益を増やしていくこと。

 

 こんな金銭的富の集中と独占が進んでいることは、すべての人間が食と住居と教育と衛生と仕事を

享受することを望んでいる私にとって驚愕です。たとえ大海の一滴の水であろうとも、持っているもの、

たとえばお金、時間、関心を持って取り組めることを周りの人間と「分け合う」生活を続け、

この大切さを語る機会を逃さず、「分かち合うことのさいわい」を共感できる場を作っていきたいと思います。

 

 トランプさんの政治のキーワード「アメリカ第一主義」は富の集中と独占の果実を、超富裕層だけではなくて

生活が苦しくなったと訴えるアメリカの自分の支持層まで享受できるようにするということか、

と私は受けとめています。

しかしこれではアメリカによるアメリカのための他国への「貧しさの押し付け」、「貧しさの構造化、固定化」が

いっそう進んでいくことにならないか、と考えるのです。

「すさまじき天文学的ちぶ」を推進してきた、推進している側が持っている、ながねん使用してきた

ノウハウを使って自分の支持者が少しは富を享受できるようにするだけの政治になるかもしれません。

世界のどこでどれほどの反発と抵抗がどんな形になって現れてくることでしょうか。深い関心事となりました。

 いずれにしても私のできることは、「分け合う」ことをしていこう、語っていこう、こう思う私です。

 

            2017年1月28日(土)   石谷牧師記

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