現職米国大統領としてオバマさんが広島平和公園の原爆慰霊碑に献花、
被爆者と言葉を交わし、自ら折ったいう折り鶴を平和資料館に寄贈されました。
核抑止力を肯定した上で、その核を減らす努力をすることで、核が使われる可能性を
小さくしていく、やがては核兵器そのもを廃絶していく、という枠の中からの広島訪問で
あったと思います。世界の核保有国に先んじて、アメリカがまず核兵器を廃棄する、
というわけにはいきませんでした。しかし、これから現状の何が、オバマさんの広島訪問
によって変化していくか、期待して関心を寄せ続けたいと思っています。
願うことはアメリカがロシア、中国他の核兵器保有国に先だって、一方的に自国の
核兵器を廃棄し始めることです。その過程で他の国々を廃絶の行動に巻き込んでいく
ことです。核兵器はその凄まじい破壊力と放射能という毒ゆえに、廃絶せねばならない
兵器の最たるものです。早く確実に廃絶の行動が始まることを願うこと切。
ちから、武力による抑止が当然なこととしてまかり通る場において、非暴力に徹底して
紛争を解決しようとすると、その者は受難を強いられることでしょう。紛争関係者は、自分の
利益を追求確保するためには手段を選ばず行動し、あるいは正当防衛の論を都合良く駆使して
行動するからです。そして利益は守られたと錯覚し、そこには自分の側、相手側に生まれた
人間のいのちとくらしと文化の破壊。
先んじて、ちから、武力、核兵器に頼らない、在り方を始めることには勇気が要ります。
しかし実践者はすでにいます。イエスの系譜にある先達たち。
核兵器廃絶という文脈にこの行動が待たれています。
2016年6月8日 石谷牧師記