このところ、いのちを大切にする文化を時間がかかっても着実に作っていかねば
と思うことです。今週新聞には「裁量労働制」 で働いていた方の過労死認定、
さらに派遣労働者規制緩和の審議入りが報じられました。
私たちの日本社会では、一人の生命、一人の暮らしが軽く見積もられている
のではないでしょうか。そのことよりも、会社の利益、経営側の論理が優先されて
いるのではないか。
根は深いと感じています。あの戦争のとき、我が国にも「特攻」がありました。
潜水艇、飛行機、小型船舶に弾薬を入れ、操縦士は敵艦に突っ込むという「特攻」。
人間のいのちよりも戦果、成果を重んじることが優先された戦術。この戦術を
受け入れる精神文化。
このことが現在も続いて存在しているから、働く人々がいのちを削っている。
しかもこのことは法律となっていわば「国策」である。
私はいのちを大切にする文化を作る意識的営みを私たち一人一人がたゆまず
続けることだと思います。「国策」はしばしば国民のいのちよりも別のものを優先
していくあやまちをするのは歴史が教えることです。
写真はアデルフォイのクローバーです。
2015年5月15日 石谷牧師記